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自賠責巨額詐欺事件から文化を変える:治療費0円広告を出したいときに読んでほしいこと②

前回の続きです
ここで2つのポイントが、医療従事者からあがりやすい

①なんでこっちに言ってこないの?
②え?ジバイなら自己負担がないでしょ?なんで?

・・・の所から

①なんでこっちに言ってこないの

患者から「0円だなんて言っておきながら、実際には自分の場合は治療費が掛かったじゃないか!」
というクレーム。
受けた方はいますか?
非常に少ないと思います。

何故言ってこないか?
いくつか理由がありますが、一番大きいのは
あなたが先生だから

特に東アジア圏の文化においては「師」という存在は特別な意味を持つ傾向があります。
「師」「先生」は絶対的な存在も、持ち得るケースが多いです。

昨今ではやっと改善に動き出していますが
スポーツにおいても体罰指導がまかり通っている要因に「相手が先生」
というのもあります。

そこらのオッサンなら許されないが、先生だから許された。

人間は大小に関わらず、権力を意識した上で持ち合わせると、鈍感になる傾向があります。
自分がどのように見られているか?が、自己顕示欲による「見られ方」が優先され、他者の立場は2の次、3の次の優先順位になりやすい。
「老害」といわれるケースが良い例です。

逆に、欲無き姿勢から権力を得た場合では、鈍感になりづらい
何が言いたいか?患者は言いたくても言えないのです、クレームを・・・相手が先生だから。

・先生は間違いを起こすとは思えないという前提が働きやすい
・例え、間違いだとしても、先生に指摘できない
・指摘をしたら、他の事でなにかしら、気まずい
・自分が我慢すれば終わること

これ、平成の前期までは日本のあちこちで見られたことです。

令和の今となっては、文句を自己消化だけで終わらせなくなっています
・クチコミの逆バージョンで、井戸端会議的に「あそこの先生は・・・」と、拡散
・ネットで拡散
がされる事も珍しくなくなりました。

証拠に、病院系の評価サイトは、いい内容しか表記されなかったのが大半でしたが、Googleレビューに至っては、完全に言いたい・書きたい放題です。

「先生だから抑制」されていた時代から「先生だからこそ許されない」に変わってきている変化は、
見逃せません。

こういった、クレームを当人に言わないで完結しようとする人の事を「サイレントコンプレーナー」といって、管理人が外食産業時代におけるマネージメント研修でも、いかにこれを未然に防ぐか?がカギだと教わりました。

なぜ?
大小に関わらず、実績は同時にブランドを構築します。
あそこの先生は「腕が良い」「感じが良い」「話を聞いてくれる」「通いやすい」・・・これらは立派なブランドです。

そのブランドをもっとも破壊しやすいのが、このクレーム形態。
だから、企業は対策にチカラを入れるのです。

こういったリスクを受け、そして自己研鑽を阻害する先生という立場・・・これを私は
「先生業と言う名の不幸」
と呼んでいます。
別名「裸の王様」

②ジバイなら自己負担ないでしょ?

これが、根拠無く自賠責保険の精度が知識不足になっている典型になります。
そもそも

・自賠責保険の摘要条件は?被摘要の場合は?
・自賠責保険上限後の精算は?
・損害賠償としての精算基準は?

等が、基本的な事から頭に無いといけませんが、これが朧気だとこの項目のような「ジバイがあるから・・・」という
考え方のループに至る傾向になります。

民事交通事故損害賠償は、自賠法が制定されています。
先行して自賠責保険が使われるために「交通事故=ジバイ」が定冠詞の様に扱われ、任意一括請求もあいまって、どこまで・どのように・どうやって、対応されているか?が曖昧ながらの経験値を積むと、根拠を重視しなくなってきます。

典型例が、保険会社が健康保険適用を促してきたときに
『え?あの交通事故の患者さん、ジバイじゃ無くて健保なんですか?』
という会話になってしまうこと。
これは、制度的に間違いです。

自賠責保険が適用されていても、患者さんに自己負担が発生する場合があります。
任意一括と損害賠償の関係性も含めて、必要な自賠責保険と交通事故の関係を知っておいた方が、いろんなケースがあっても翻弄されません。

これらの感覚を生んでしまう要因

それは、基本的に請求が認められた治療費が、ストレートに皆さんの懐に入ってくるからです。
そこには、患者さんの自己負担分も関係ありません。

「おい、バカか?なんで関係しなくちゃいかんのだ!」と突っ込まれそうですが、私が言いたいのは、
患者さんが0円治療じゃ無い分、医療従事者も被れ!
ではありません。

実態として、患者さんにも自己負担発生するケースもある訳なので、「0円」「自己負担無し」「無料」とかの制度を無視したような文言で煽って集患するのは違うでしょ?ということ。

患者さんには、患者さんが追うべき損害賠償の精算があるわけです。
一方、医療従事者は、自身の都合があったとしても、患者さんの実態は一部しか垣間見れません・・・それは自分が関与しているだけのエリア。
その視野には「認められた治療費が入る医療従事者」しかいません。

なので「交通事故=ジバイであって、制度的に守られていて、ストレートに金銭が精算される・・・」という視野になりやすいので、気を付けて下さいねってことです。

例で言うと「治療費0円ですよ」と言って集患した、患者さんの治療費が入って来た。
それが総額20万円だとして、そのうちの4万円が、患者さんが頂いて今後の生活に足しにしたかった、患者さん自身の慰謝料の一部だとしたら?

これ、制度分かっていれば、想像つくことです。
現実にあるケースなんです。
それでも、制度熟知しないでいながら「0円治療費広告」をしますか?

勉強会に参加された方は、このカラクリ知っていますよね?

 

自身の視野だけの判断は、双方に不幸を招きやすくもなります。
自身だけの視野のままだと、交通事故の制度を無視したような広告になりかね無いって、事に至りやすい・・・というか、そう言う場面を多く見ます。

たぶん、自分の視野だけだから、あんな広告内容が出来ちゃうんだろうなぁ・・・

次回が最後です。

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プライムケア 杉本

株式会社プライムケア代表取締役
<国家資格> ・柔道整復師 ・ファイナンシャルプランナー2級技能士 <各資格> ・生命保険・損害保険募集人 ・EK療法士 ・ashibraⓇ認定アドバイザー

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