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自賠責巨額詐欺事件から文化を変える:保険会社にムカ付いて怒鳴りたくなるときに読んでほしいこと

先日、こんな記事を拝見しました。

 

要は親御さんなのですが・・・
・病院の受付で、待たせる時間が長かったために怒鳴り込んだ
・その行為を賞賛した妻
・冷静に考えれば、そんな行為からは何も生まれない
・気がつけば、行為そのものは単なる個人の自己満足に過ぎなく、問題解決にもならないばかりか、立場弱者を脅迫しているに過ぎないと言う事

まとめ的に言えば、冷静さから離れた訴えは、自己満足だけで終わってしまっては意味が無いと言う事です

Contents

交通事故での話でよくあること

交通事故被害者の
「担当がムカついたもんだから、電話口で怒鳴り込んでやって、担当変えさえてやったわ!」
という武勇伝をたまに聞きます。
たま~に、医療従事者も・・・・

今回の例題のような、立場が弱い人間にハラスメント的な圧力だけの自己満足・・・とはちょっと違いますけど、共通点は
「ゴルァ!!」的な手法が、果たして結果を生むのかどうか?
を考えたいのです。

先に申しあげますと、保険会社担当はそんなTELなんて、日常茶飯事なもんですから、なんとも思っていません
勉強会でお話していますが、担当変えても・・・実際は・・・だったりもしますので。

ちなみに、担当個人が勝手に自己判断で塩対応している訳でも無く、いわゆる保険会社業界の文化ですので
「同じ穴のムジナ」であり、担当変更でもって環境改善にかわるとは到底思えません。

冷静に保険会社の塩対応と向き合うと見えてくること

彼らは、文化に則った思考・行動パターンと、制度・法律に則ったエビデンスを武器に塩対応してきます。
目的はなにか?
当然ながら「払わなくても良いのは、払うつもりは無い」これ以上でも以下でもないです。

保険業界の中枢の人間は、優秀な大学を卒業して、エリート的な就職活動を突破してきた、上場企業戦士で構成されているわけですので、頭はよろしい。
と言うことは、相当の知恵でもって対策されているので、そこを把握しないと個人が怒鳴っても、暖簾に腕押しなわけです。

しかも法律・・・民法709条には「因果相当関係の立証責任」があるので、これを主張すれば、いくらでもかわせます。

つまり「払って貰うときは証拠出せ」という法律が守る。
それが間違いだと後の裁判で立証されたら、主観の相違でもってかわせる。
ガンジガラメ的に対策されているので怒鳴っても意味が無いんですね。

私の勉強会では、そこを理解して、正当請求すること目指しましょ!
正当請求までの知識習得は大変ですが、そこが出来ると、ストレス減りますしね・・・というスタンス。
怒鳴っても効果無いこと知っているからなんです。

ちなみに、私自身の事故の際は、コチラから証拠を持って損害サービスに出向きました。
録音もしながら、理論的に逃げ道を防ぎながら、担当の総合職社員さんを、言論フルボッコにして差し上げました(笑)
もちろん、一切声を荒げたりしていません。
同席した、向こうの部長さんは「イヤなのが来やがった」というオーラ出しまくってましたけど(笑)
(よい子はマネしちゃダメだよ)

勘違いした怒鳴り込みは最悪の結果として・・・

向こう(保険会社)が弁護士出してきたりします。

ここで、さらなる勘違いをされる方もいますが、保険会社側弁護士は、保険会社の利益を代理しているので、
相手側におもねいって安易な対応変更になること・・・絶対に無いですね。
基本的に、受任通知の段階から、強烈な対応をされること請け合いです。

だって、払いたくない保険会社の代理人ですから。

だから恫喝する手段よりも、理路整然と理屈でもって対応しておいた方が、良い事はあっても悪い事は無いと思うのです。

理論的な思考パターンが構築されていれば、、あとからでも何とでも抗弁出来ますので。

ムカつく時ってどういう時ですか?

アンガーマネージメント:怒りのコントロールの基本は
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・衝動のコントロール
「衝動のコントロール」ではまず、「最初の6秒をやりすごす」ことが肝要だ。
人は怒りのアドレナリンが強く出るのが最初の6秒だといわれているからだ。
怒りを感じたらまずその原因について書いてみて、その怒りに10段階で点数をつけ、客観的に怒りの分析を行う。

・思考のコントロール
次に「思考のコントロール」では、相手に求める「~べき」の境界を広げてみること。
相手の価値観は自分とは異なることを今一度認識し、怒る必要がある内容なのかを吟味し、
他者との違いを埋めていく努力がここで必要になる。

・ 行動のコントロール
最後に、できるものだけをコントロールする「行動のコントロール」だ。
まずは最近怒ったことについて書き出し、それが「いつまでに」「どのように」「どのくらい変わったら」気が済むかを決めておくことで、怒りをコントロールし、さらにはコントロールできない要素については放置する、と決めておく。
「諦め」とは異なる、「そういうものである」という受け止めの姿勢が何よりも重要なのだ。

「怒り」のパワーをプラスに転じることができれば、日々を快適に過ごすことができるのではないだろうか。
アンガーマネジメントを学ぶことはよりいい人生のあり方について考えることにもつながるだろう。

(百計オンライン「「アンガーマネジメント」とは?怒りを抑える3つのテクニック」より)
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になっています。

人は基本的に、否定されることを嫌います。
「セールスの断り」から「失恋」に至るまで、人生という交渉の連続の中で、自己を否定する存在を
忌み嫌う傾向があります。

これは、人間が集団生活でもって社会性を構築してきた結果ですので、これはこれで仕方ありません。

否定が続けば、それは自分の死にも直結するような事態になりかね無いので、それを回避するため、生存本能を遂行するためのもの。
なので、それは否定できません。

しかし理性があるので、上記の様なアンガーマネージメント等で調整訓練を行い、社会円滑性を向上させる手段が出てきたのです。

交通事故事案での3大アンガーポイント

①治療費関係の否定
②治療・施術の継続の否定
③治療・施術の必要性の否定
の3つです。

私が勉強会で質問受けて、回答率が99%なのは、この整理が出来ており、かつ実態と制度法律ポイントを抑えているというだけ。
(完璧な人間では無いし、事実即答できなかったことが2件だけあったので100%ではありません)

患者さんへの思いもあるのは理解出来ますが、そこはそれで、上手く立ち回った方が利口です。

だって・・・そもそも損害賠償の主役は、被害者である患者さんであって、医療従事者が損害賠償請求するわけではありませんから。

まとめ

・交通事故事案においては保険会社に怒って怒鳴っても、なにも解決しない
・武勇伝として残したい気持ちは勝手だが、同時に患者さんを泥沼に引きずり込む可能性もある
・引きずり込んだら最後、下手すると患者さんに悪評ばらまかれ、最悪の事態になってしまうかも・・・
・そもそも保険会社としては、全てが想定内。なのでケンカするだけ無駄。

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プライムケア 杉本

株式会社プライムケア代表取締役
<国家資格> ・柔道整復師 ・ファイナンシャルプランナー2級技能士 <各資格> ・生命保険・損害保険募集人 ・EK療法士 ・ashibraⓇ認定アドバイザー

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