医療従事者向けの保険・交通事故・自賠責の知識をアップグレードする情報提供を行っています

  1. 柔道整復師向け
  2. 596 view

自由診療だからカルテはいらない?って誰が言い出した?:ElitePlus

諸事情は色々あると思いますが、時代に求められているので、自費施術割合を多くする傾向は分かります。

ただその中で「同時にこれも踏まえた方がいいんじゃないのかな?」と、思わしきことがありますので今回はそれを記事にしたいと思います。

 

都市伝説の一つ

エビデンスを重要視する医療界において非常に不思議なのは
交通事故事案において、都市伝説を鵜呑みにしそのまま業務に落とし込んでいる例がいくつもある
ということです。
これは医科でも見受けられることです。

その一つが「交通事故にもカルテはいるの?」ということ。
このポイントにおいては、さすがに医科においては、きちんと記録されている確率の方が高いです。

しかしながらコ・メディカル分野においては、なぜか
「自由診療だからカルテはいらない」
と、言葉を耳にすることがあります。

何を根拠にしているのか非常に理解に苦しむのですが、 発端は指導ではないでしょうか?

相対する療養費の支給制度においては「返戻」という言葉もあり、保険者のみならず監督官庁の存在もあることから、記憶をしておかないと後の祭りになります。

しかしながらこの数年まで、療養費と違って管轄指導する省庁が存在しない交通事故事案においては、
「特段言われてこなかったから、いらないんじゃね?」
と言う、根拠なき考えが都市伝説を産むことになったのではないかと分析しています。

実際には・・・

健康保険だろうと自賠責保険であろうと、公的な保険制度に対しての請求を行うのでありますから、請求根拠は必須になります。
健康保険と違って、交通事故の自賠責保険の厄介な点は、損害賠償であることから「民法」が「自賠責保険法」に直結し、 民事訴訟の性格を強く持っているということです。

医療従事者にとって不幸なのは、多くのケースで業務内容分配としては「保険会社との折衝」が多いことから、 民事損害賠償と言う事実を忘れやすくなってしまうということです。

つまり、保険会社が療養費における保険者みたいなものと錯覚しますが、交通事故事案でその感覚は危険です。
あくまで保険会社は、事故加害者の経済的賠償を補完する立場ですから。

民法709条には「相当因果関係の立証責任」があり、請求をするのであれば証拠が必要になります。
自賠責保険における請求に関係する、免許を持った医療従事者が作成する書類においては、 これらの請求根拠に直結します
したがって、単なる保険請求だけではなく損害賠償請求の性格を併せ持つ書類になります。

 

要するに・・・

交通事故の損害賠償である自賠責保険は、形式的に健康保険でも労災保険でもないので自由診療の枠に収めてあるけど、性格的には、 請求のための根拠の記録が問われる分野になります。

したがって、必要なことがカルテに残っていない限りは、単純に請求しても支払われるとは限らないということです。

悪いのは過去の積み重ね

現在よりも、災害による被害額や保険料収支が深刻ではなかった歴史から、過度に曖昧さを回避してこなかったために、前述のような都市伝説を産みました。

しかしながら、昨今の諸事情が誤魔化しを許さなくなってきたため、引き締めが目立ってきています。
根拠なき都市伝説は、思考力を低下させるために、 厳密な対応の前では足枷にしかなりません

本当は根拠を知っていれば、多少の事態が変動しても、応用ができたのですが、都市伝説レベルの知識では 太刀打ちできません。

こういう時で恐いのは

根拠が明示されてないが故に、知ったかぶりちゃんによる「馬に人参ぶら下げる」ような 煽りに翻弄されてしまうことです。
具体的な対応方法が曖昧なため、 実際の折衝においてのチカラに結びつきづらい。

最悪なのは、医療従事者のみならず、患者さんまで影響を及ぼしてしまうことになりかねないということです。

「そんなことまでなるの?」
なりかねないですね。
カルテも残っていないのであるならば、怪我をした証拠になるわけでもならないし、当然ながら請求する権利も失ってしまいかねません.

ここまで来ると、仮に弁護士を使ったとしても、必要なのは
免許を持った医療従事者の権限による書類作成
ですから、折衝で事態が好転するものでもなくなってしまいます.

こういう時に考えるのは

いわゆる医療系国家資格という免許を持っている有資格者であるわけですから、健康保険だろうと自賠責保険だろうと自由診療だろうと自費施術だろうと・・・
どんな場合においても、医証を残すのは必須ということです。

昨今の広告検討会でも、無資格者の対応を国に訴えてますよね?
それは同時に「有資格者であり医療系の免許を持っている我々であれば、無資格者とは違う対応ができる」
という前提を助長するものであります。

「頚椎スラスト法に対する三浦レポート」「無資格施術による健康被害記事」もあるわけで、それだけ責任が問われている時代になりました。

なので「施術に至った根拠となる記録」が残っていない場合は
「適当に揉んでお金をもらう無資格者と同じ扱いにされてしまう」
・・・・私はそんなのは嫌です。

「完全にリスクゼロの施術」なんてものはないはずなので、健保もジバイも自費も、医療記録は必須になります。
それは患者さんを守り、同時に自分や家族を守るものでもあります。

なんせ「国家資格」と言われていますけど、正確には「免許」なもんで

まとめ

・ジバイにもカルテは必須
・他の業務にも必須
・なぜなら免許を持っているから
・ 伝える力作った医療記録はいろんなことに応用できます

伝える力のアップデートはElitePlusでどうぞ。
現在、札幌の申込を数名に頂いておりますが、返信する案内PDFを再編集しておりますので、週明けまで猶予ください。

<医療従事者のための交通事故勉強会:ElitePlus in札幌>

https://primecare.co.jp/workshop-info/eliteplus/

日時:2019年11月17日(日) 9:30~17:00

場所:札幌コンファレンスホール

受講資格:2016年以降のアドバンスコース既受講者(再受講含む)

定員:15名(最少催行人数5名)

費用:@75,000円(道民割引適用の場合@65,000円)

支払い方法:事前(paypal / paypay)
      当日(現金 / paypay)
※キャンセル規定有り

受講特典:受講後1年間有効
・有料化する交通事故対応相談質問・アドバイスが無料
・受講後の「施術証明書添削」「交通事故事案対策コンサルティング」のフォローが2回まで無料
※弁護士法に抵触することは受けかねます。また訪問の希望・必要がある場合は別途実費となります。

申込方法:2019年10月3日~より先着順
HPリンクPDF用紙よりFAX、もしくは申込書同内容項目を「メール」か「お問い合わせ」にて送信ください

※東京会場は2019年12月15日予定

柔道整復師向けの最近記事

  1. 保存版「交通事故で整骨院に通院してはいけない典型例」

  2. 勉強会に至る重要なエピソードを紹介します

  3. 医学的所見の検査してない?そりゃ支払拒否の理由になるわ!!

  4. 自由診療だからカルテはいらない?って誰が言い出した?:ElitePlus

  5. 広告制限では不起訴だった!僕らはどうするべきか?自賠責巨額詐欺事件から文化を変える

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP