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HP記載内容問題を考える:治療実績人数編

今週末は「医療従事者のための交通事故勉強会:in横浜」ですね。
久しぶりの勉強会なので、良い緊張感に包まれております。

さて、あるHPで気になる内容がありました。

「治療実績は15年間で5万人です」

といった内容。
HPを構築する際に、これまで多くの患者さんを診てきましたよ・・・的なアピールかと思います。

実はこの手のブログは、何気に。私の交通事故のお弟子さんも昨年記載していたんです。

https://www.soukashi-keyakinomori.com/patopato/2018/10/15/?fbclid=IwAR37XraAjKwbVjb2C3ZvwqCWUa1gWCtQ1wDdCKaEYwWTnOrR3SiElTvw0fU

正直なところ、ぱっと見、今回の15年間で5万人ってスッゲェな!とは思います。

思いますが、別の思考パターンが出てきました。
「それってどんだけ凄いか、具体的に計算してみよう」という・・・(笑)

計算前提

実際に、その先生に計算方法を伺っていませんが、わかり得る
・15年間
・5万人の実績
から紐解きます。

15年間のうち週6日開けているとします。
おおよそ312日ですが、もう少し休むとして年間300日開けているとすると
300✕15=4500日
これが15年間の営業日数でこれに5万人を割ります。

50,000人÷4500日=毎日新規患者:約11人
これが15年で5万人の実績をはじき出す為の、絶対的数字です。

毎週の新規数を出し、通院する回数を換算して仮定します

週6日開院として,1週間で66人が毎週の新規患者。

この新規患者さんが、翌週以降週2で通うとします。
ただし、治癒までの期間は平均として3ヶ月とします。
1回きりの人もいれば、数年の方もいるかと思いますが、あえて3ヶ月。

すると
1週目は、新規患者66人のみの施術。
2週目は、その週の新規66人の66回施術にプラスされ、前週の方の2回分として132回がプラス。

66+132=198回←これが2週目の施術回数で1日当たり33人/日となります。

これが、3ヶ月目まで新規が増えながら既存患者も施術することになります。

新規を増やしながら、既存患者の施術回数増加は3ヶ月まで増加する

3週目~12週目まで増加は続きます。
ここで新規患者さん受け入れは止めてはなりません。
何故なら15年で5万人という大義が成せなくなるからです。

毎週新規は66人で12週で66✕12=792人

既存患者施術は132✕前週までの週数なので
3W:132✕2=264
4W:132✕3=396
5W:132✕4=528
(中略)
11W:132✕10=1,320
12W:132✕11=1,452

そこに新規患者の回数66を追加すると
3W:330
4W:462
5W:594
(中略)
11W:1,386
12W:1,518
となり、1W~12Wの初期における増加期間の計算が出来ました。

最初の営業72日
新規+既存患者の施術合計:@9,240回←128回/1日

これで増加分が出来ましたが、12W目の@1,518回はこれ以上増加せず、この先の14年9ヶ月間一定になります。
3ヶ月目で施術終了しますが、新規は毎日11人来ます。
これも『15年間で5万人』という大義があるからです。

残りの15年目までの計算をします

前述を併せて
・施術回数は1,518回/週
・1年間は52週(あえて閏年はカウントしない)
・端数の9ヶ月は、1ヶ月を4週と見なす
とします。

すると
(52✕14Y)+(9✕4W)=728+36=764W
764W✕1,518回=1,159,252回施術

修正として、最初の3ヶ月を足します。
1,159,252+9,240=1,168,992回
これが15年間の施術回数。

1日平均は
1,168,992÷(300✕15)=約260人/日

最初の週は1日11人で良かったのですが、4ヶ月目から23.6倍倍の患者さんをこなさなくてはなりません・・・一人院なら・・・。

1日260人の来院を何分単位で終わらせるか?

朝9時から20時までで、9時間の開業時間としましょう。
とすると
260÷9=28.8人
一人あたり2.1分。
これを15年間です。

患者さんからの満足度を減らさないように、施術時間を極力増やすには方法は2つだけ
①スタッフ増やす
②開業時間を増やす

①の場合の患者さんに割ける時間
2人:4分
3人:6分
4人:8分
になります。
スタッフが10人いれば患者さん一人当たり20分割くことが出来ます。

②の場合(院長1人の場合)の割ける時間
倍の18時間開業:4分10秒
寝ない・食わない・休憩しないの24時間ぶっ通しなら24時間が最大で9時間の2.7倍なので
5分33秒で一人上げれば『15年5万人』が達成できます。

患者さんをマッハで仕上げて、24時間開業で・・・それで出来るだけ施術時間を20分確保するには・・・
260÷24÷(60÷20分)=3.6人となります。
年間300日の開業で『15年5万人』を達成させるには、自分もスタッフも、休めるのは週に1回24時間
それまで、食わない・寝ない・休憩しないを強制しなくてはなりません。

もちろん、病気にもなれませんが、『15年5万人』を達成するという大義の為です。

ここで細かいことですが、
・その治療家さんが大義達成
・その院が大義達成
で分かれます。

もちろん、前者なら上記のスタッフを雇って、蟹工船以上のブラック勤務をさせることが出来ませんので
・360日9時間開業で、患者さんに我慢して貰って2分で納得して頂く。
・24時間300日でも患者さんの施術時間は増やしても、5分33秒/1人
が選択肢になります。

あとここでの苦肉の策は・・・休まない
これなら年間365日(閏年は含まない)に修正されますので、人数にしろ、施術時間にしろ、1.22倍で計算出来ます。
施術時間は、5分33秒→6分47秒!!
患者さんには、これで納得頂きましょう!!

忘れちゃいけない補足事項

「おい!お会計や掃除なんかの雑務はどうするんだ!!」
というツッコミがあったとしますが・・・ご安心下さい!!
ココには施術以外の人数計算はされてません。

つまり、パートさんを雇っての、業務フォローは全くもって問題ないです。
ただ、柔道整復師だけしか出来ない業務もありますので、それは施術の合間に
・健康保険証の確認
・カルテ作成・チェック
・療養費支給申請書の作成
・施術証明書の
の他にも
・各必要研修への参加
・各種セミナーでスキルアップ
もありますねぇ・・・

もろもろ、うまくやって頂きたいです・・・なんせ
「15年間5万人」の大義の為ですから(爆)

しかし、この実績を上げられた先生・・・あまりの超人っぷりに感服します。
すっげぇな!!

カルテの棚も

昨今はちゃんとカルテを残さなくてはなりません。
1人当たりのカルテが5㎜として・・・
保管期間5年として単純な人数が16500人
16500人✕5㎜=82500㎜=82.5メートル

180㎝幅の書棚で46段必要。
6段の棚で8個書棚が必要。

横幅1.8メートル✕8=14.4メートル。
書棚だけで、大変な面積がかかります。

もしも「人」ではなく「回」なら・・・

50,000回÷4500日=約11回。
のじっくり施術になります。

実際は、こっちの方が現実的ですねw

広告で問題なのは「受け取る側への誤解を避けなくてはならない事」

まぁ、ここまでクソのような計算をしていて「あいつヒマだな」と思われかねないですが・・・。

 

ですけど、これは同業がやっているのでまだ良いんです。
一般社会人が見て気付いたら、どう思うか?ってなるんです。

大概が「シャレですよ」かも知れません。
でも、虚偽の情報には変わりない。
とすると「優良誤認」となりかね無く「景品表示法」に抵触しかねない。

これは逮捕されるされないとかの問題以前に、「嘘ついてまで広告する」
というレッテルの問題なんですね。

こうなると、患者さんは考えます・・・
「そこまで集客(集患)しないと、食べていけないの?」と。
これ、勝手に患者さんが「あそこは腕が無いから患者さんが来ないんだ」というレッテルを勝手に作成しかねないんです。
恐いですよ~。

この対極が「クチコミで患者さんが来る」ですよね?

まとめ

とりあえず、言いたいことは分かるけど「人数」と「回数」を入れ替えるのはやめておきなはれ。
患者さんは気付くよ。
「願わくばHPのそこを見てないこと」となったりしたら、本末転倒ざます。

追伸:交通事故事案で「カルテの保管期間5年」を徹底するのは要注意!
日本医師会の傾向も含めて、交通事故損害賠償の観点から、アドバンスコースにて解説します。

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『医療従事者のための交通事故勉強会2019:柔整師向け』

横浜ファースト:2019年6月23日(日)
9:15~11:55
横浜ベーシック:2019年6月23日(日)
13:00~19:00

横浜アドバンス:2019年7月7日(日)
9:30~16:45

※すでに受付開始

<場所>
アットビジネスセンター横浜西口駅前 602号室
神奈川県横浜市西区北幸1丁目8−4

<定員>
各会場:30名
(各最少催行人数15名)

<申し込み方法>
https://www.primecare.co.jp/workshop/
①弊社HP、もしくはFBページメッセにて案内PDFを取得下さい。
②FAXもしくは、申し込みデータをメール送信
③承り後、弊社から受付案内を致します(メールもしくはFAX)
④料金は会場にて現金にてお支払い下さい(領収書発行致します)

<メール受付の場合>
HP問い合わせフォームより
①氏名
②所属院
③連絡先番号もしくはアドレス
④取得資格
⑤希望コース
⑥同行有りの場合の同行者氏名
⑦ベーシック終了後の二次会参加希望の有無
をご教示下さい。

<料金>(すべて税込)
ベーシック・アドバンス新規(それぞれ)@22,000円
ファーストのみ一律:@10,000円
同コースの再受講:@10,000円

再受講者との同行またはペア割:@ー4,000円
(お一人当たり、ベーシック・アドバンスにそれぞれ適用)

※交通事故事案を同業者へのビジネス化されている場合は、別途加算料金を申し受ける場合がありますので、ご了承下さい。

<会場限定:書籍特別販売>
「医療従事者の為の交通事故取扱説明書:接骨院編」
@9,000円→特別価格@8,000円(ともに税込み:一人1冊限り)

<ご注意>
・撮影・録音・資料の二次使用は固くお断りします(発覚時損害賠償請求します)
・初参加の方の「PCによるノートどり」は、内容リークの懸念もある事から、ご遠慮頂いています。
・既に交通事故で商用活動(手法展開・セミナー等)されている方のファーストコース以外の申し込みは、理由回答によって参加をご遠慮頂く事もございます。
※管理人は「二次加害者」への幇助を一切行いたくないという信念がありますので、ご理解下さい。
勉強会でお会いしましょう

 

 

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