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デマを排除するべきと考えたら読んでほしいこと:自賠責巨額詐欺事件から文化を変える

最近、お気に入りのユーチューバーさんが佐藤さん。
「葬儀葬祭チャンネル」という、これまで忌み避けられやすい、人が摂理を迎えるということに対しての疑問や、葬儀屋さんの立場で知って貰いたいことを
投稿されています。

投稿されている佐藤さんは、非常に論理に倫理もかねて説明される、久方ぶりに「紳士」を見た気がします。

私も45歳になり、自身の周りにも摂理を迎える話があるので、興味深く拝見していました。
私の知らない分野のことを説明してくださるのは有り難く、FPレベルでは知り得ないこともあるので、新たな習得になっています。

佐藤さんを拝見していて、なぜ共感できるか?を考えた折に、こんなコメントを出されていたんですね。

以下、SNSでご本人に、ネタ元使用許可頂き、今回の記事にさせて頂きます。

さぁ皆でデマを斬ろうw

『今、僕の葬儀の都市伝説を斬る系のツイートが人気なのだが、それは僕がどうこうって言うよりも「事実に基づかない事でも言った者勝ち」の世界に皆がウンザリしているのが理由だと思います。さぁ皆でデマを斬ろうw』

これ、私が交通事故の勉強会をしているのもこれと全く同じ志です。

交通事故の世界でも同じような事が、多々あります。

交通事故のよくあるデマ

一般的なデマとしては
・修理の際の代車は「同等クラスの車両」でなくてはならない
・慰謝料は通えば通うほど増える
・弁護士に頼めば大概通る
・保険会社が、ふざけたことを言ってきたら金融庁か損保協会にチクれば一発
・何かしら裏道があって、なんとかなる
・保険代理店のチカラで処理は変わる
・保険代理店が間に入ってくれる
・医者は儲けるために、健康保険を使わせない
・人身事故にしないと、補償が受け取れない

などがあり、これを医療従事者の世界の事に当てはめると、こんな感じです

・自賠責では自由診療なので健康保険は使えない
・医師が診断すれば大概通る
・診断権の元でのことは絶対なので、医師が認めれば保険会社は払わざるをえない
・柔整・あはきも自賠責保険規定上で「使える」とされているので、請求したら通らなくてはならない
・自賠責保険でも柔整・あはきと併用は出来ない・接骨院には後遺障害にいたる患者は来ない
・払わないのは、全て保険会社が悪い
・所属組織が守ってくれる
(以下:医師限定)
・転記の欄に「治癒」とすると怒る患者がいるが、その後も健康保険で通える事を言えば問題無い
・健康保険を使った患者の場合は、後遺障害診断書を書かなくても良い
・後遺障害診断書を真面目に書いても、どうせ等級認定されない

これらはすべて
「エビデンスの無いデマ」だということを、エビデンスをもって説明することが出来ます(笑)

勉強会でも
「ウソを見抜かれたら、正当化するにはウソを重ねなくてはならないが、真実はエビデンスを出せばそれでオシマイに出来る」
と申しあげています。

デマは結局は根拠の無いウソです。
医療界の昨今は「エビデンス」を重視するはずなのに、何故かデマがそのまま、まかり通っています。
別名「都市伝説」という形で。

なぜ「デマ」「都市伝説」が生まれるか?

①忌み嫌う領域だから
葬儀もそうですが、医療者にとって「交通事故」は特殊です。
保険会社や、よく分からない制度に翻弄されますが、費用の請求が自由診療なので、健康保険よりも高単価。
なので、そこに首を突っ込むと、ヘタすると自分が大変な事になる。
面倒だから、サッサと終わらせるが、「医療従事者が交通事故を扱ってやっているんだから」高単価はしっかり請求する。
患者が証明書類欲しい?そんなの知らんよ。適当でいいんじゃない?どうせダメでも、こっちに治療費入れば良いんだから。

深く関わらない方が良いと思う思い込みは、そこからの「真実の習得」から距離を作る事になります

②きちんと教える人と形態が構成していない文化だから
①にもリンクしますが、避けている領域なので、事態が発生したときにしか「きちんと学ぼう」という感覚は生まれません。
しかし、ここにも問題があります。
時間と習得する元の知識提供者の2つ。
日々の多忙な中では、「学ぶ」ことよりも「こなす」ことの方が大事です。

葬儀と共通していませんか?
礼服くらいは準備するのが社会人としても嗜みですが、いざ葬儀に行ってみる、自分が当事者になる・・・これ、普段から勉強しますかね?
なってみないと、なかなかです。
それで、近しい人からの経験に基づく情報で処理・対応することも多いかと。

でも、それで何とかなっちゃうことも多いので、経験則からの習得がメイン。
流石に、喪主などの執り行う立場になると、葬儀の場合は葬儀屋さんはいますが・・・。

③過ぎてしまえば、次に事態が発生するまでタイムラグがあったりする
毎月葬儀・・・現実的では無いですね。そんなに頻回なことでないことは、必要性を遠ざけます。

逆に医療機関における交通事故の扱い数は、確かに院でマチマチであり、毎月抱える所もあれば、滅多に来ないなど様々です。
しかし、それでもデマのまま動いても平気で交通事故を扱ってしまって、書類の書き方等々が無茶苦茶とかで患者さんに尻ぬぐいしている現実があったりしますが、
多くても少なくても、真実を理解していないほど、習得がおざなりになるのは不思議なところです。

すると、次に暗躍する存在が出てきます。

知識不足をダシにして儲ける輩が出現する

佐藤さんのチャンネル拝見していますと、まぁ~・・・デマや都市伝説にかこつけて、ダマシのごとく私腹を肥やすのは、どこにでもいるんだと感心するくらい。

・病院指定の葬儀社じゃ無いとNG
・葬儀の進行は坊さんのさじ加減
・火葬場は金歯等の人のカラダから出てきた金属でもって私腹を肥やす
・「ぽっきり値段」の葬儀社に依頼すれば、その金額で済む
などなど、いろんなことが出てきます。

そう・・・無知に託ける輩の言っている事って、本当に厄介なんです。
なぜなら、真っ当そうに聞こえるし、それが自身の思っている趣旨と乖離しても、なかなか気づけない。
気づき始めたときに「あぁ~・・・おれもやっちゃっていた・・・」となったりするんです。

医療従事者の交通事故であるデマでの例は・・・

・特定の施術証明書だと入金が早くなる
・保険会社が払わないのなら、任意一括解除して被害者請求をすれば入金される
・弁護士がつけば保険会社は払う・治療を認める
・患者が交通事故での治療をする事が出来ることを知らないのだから、ドンドン宣伝した方が良い
・一部、治療で入って来た金銭を患者にバックしても、保険会社は分からない
・自賠責の分だけ、こっそり自分の個人口座に入金しても、税務署にバレない
・「こうするだけで」「こうすればいい」という、魔法のようなやり方が実はある
・団体を作って社会貢献性を前面に出せば、保険会社の審査は緩くなる
・保険会社にはHP上で真摯にやってますアピール文章を入れておく方が良い

とかですかね?

本当に、これらはデマ・都市伝説の領域を脱していませんから(笑)

問題は、それらを放置すること

また、佐藤さんは続きでこんなツイートもされています。

『一番の問題は、火葬場のデマも、遺体のデマも業界が放置して何も言わない事なんだ、
働く人を守るために仲間を守るために勇気を出さなかったって事実が一番ダメなんだと思うんだ。』

佐藤さんは、デマなんかよりも真実を語ることで業界をオープンにして、世のためになることを選んでいます。

私も一緒です。
医療界が捉えて居る交通事故の世界って、歪で実態と乖離しているのを私は知っています。

私はトラブルが飯の種ではありません。
患者が困ることでの収益性は、何もありません。

困ったことがあって解決する仕事ならば、ドンドンされた方が良いと思います。

ですが、患者さんの不幸を解決の方向への手伝いをして「稼ぎ」にするのならばいざ知らず、不幸を手玉にとって大して解決にも結びつかず、辛い思いをした人から、更に搾取して「儲ける」のが大嫌いなんです。

では「儲ける」という後者にならないためにはどうしたら良いのでしょう?

簡単です。
今回提示したようなデマ・都市伝説を排除してください、自身の身の回りから。
これらは、患者さんが不幸に誘ってしまう要素を孕んでいます。

くり返します。
医療従事者の貴方が、デマ・都市伝説を採用している限り、患者さんの不幸の連鎖は止まりません。
こういった事は、全てエビデンスと事例でもって証明出来ます。

腐ったデマ・都市伝説なら要りません!

もし自分の私腹が優先で、患者は金づるというのであれば、その人のが選んだ道ですので、止めませんけどね。
でも、様々な逮捕劇の根底には、これらのデマ・都市伝説がある事は覚えておいて下さい。

まとめ

・デマ・都市伝説には共通して「エビデンス(根拠)が無い」

・自分の知っている情報と、今回の事例をチェックしてみよう

・しないで、輩に蝕まれても、それは仕方無い事

・その前に、自分のみならず患者を不幸にしちゃイカン

・デマ・都市伝説の放置はある意味・・・

『医療従事者のための交通事故勉強会』には、一切のデマ・都市伝説はありません(笑)

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プライムケア 杉本

株式会社プライムケア代表取締役
<国家資格> ・柔道整復師 ・ファイナンシャルプランナー2級技能士 <各資格> ・生命保険・損害保険募集人 ・EK療法士 ・ashibraⓇ認定アドバイザー

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