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センターラインオーバー?人傷しか使えない?混乱する前に、まぁ落ち着こう

勉強会に既受講の先生から、質問が来ました。
良い例だったので、今回の投稿ネタにさせて頂きました。

質問内容

題:損保から「この場合は人身傷害保険しか使用できません」と言われました
車の所有者が助手席で、知人が運転手をしていました所、対向車と衝突しました。
過失割合はまだ、わかりませんが人身傷害しか使用できないというのは本当なのでしょうか?
健康保険でも、自賠責保険でもいいのですが、保険会社に嘘をつかれていたら納得がいかないので教えて下さい。

というのも、患者さんから健保使用を言われたら納得は出来ますが、患者さんの同意を取らずに『健康保険で』と、初っぱなから言われたことで、どうしても猜疑心が動いてしまったんです。

間違っていれば、自分の勉強不足だと思いますが、心情としては、騙されたくないモノですから・・・・
金銭的な事も無いとはいいませんが、自分の知識が足りない事で患者さんに迷惑をかけるのが嫌なモノですから・・・

申し訳ありませんが宜しくお願い致します。
———————————————————————————————
以上が、質問内容でした。

この事案の内容を、箇条書きに的にポイントをまとめます。

①車両所有者が、友人に運転をしてもらっている際に事故受傷
②事故形態は「対向車と衝突」なので、センターラインオーバーが想定できる
③保険会社からの協定連絡の際に「人身傷害対応」になり「健康保険を摘要」の旨を
保険会社から言われる
④協定時点で、保険会社は事故被害者に使用の旨の打診がされておらず、患者からも
健保使用の意思確認がされていない

⑤どうしてもこの内容でいいものか、理解が進まないことから、消化不良である

ということになります。

さて、今回は大サービスレベル・・・なぜか?・・・・

次回の勉強会日程がおおよそ決まりました!
勉強会のレベルを知って頂く為にも、それなりに答えます(笑)

①車両所有者が、友人に運転をしてもらっている際に事故受傷

まず、この時点で考えなくてはならないのが、自賠責保険が適用できるかどうか?になります。
②も含めて考えると出来ない可能性が、ほぼほぼ無い。

自賠責保険は、そもそもが対人賠償です。
しかしこの場合は「共同不法行為」に該当するか?否か?の問題も含め、自賠責保険の適用になるか?
という確認事項があります。
なぜなら、自賠責保険の適用は、自賠法に定める被害者でないと対象にならないからです。

これを書き出すと、相当量が費やされますので、まずはコチラを参考になさって下さい。

ただ、この場合においては「任意一括請求対応」の可否が、医療従事者にとっての重要事項になってきます。
そのポイントも加味した場合の「仮定」として構成しますが、あえて「自賠責保険摘要」は別問題で勧めます。

※この時点で「え?ジバイで無いの?どういうこと?」となった方は、勉強会に来るべき
素質100%です(笑)
会場でお会いしましょう。
同様ポイントは、以下も#にてチェック入れます。

②事故形態は「対向車と衝突」なので、センターラインオーバーが想定できる

一般的に、過失割合において0;100案件で扱われる事が多い#になりやすい有名なパターンが3つあります
1・(信号等で)停止中の被追突
2・センターラインオーバーによる被衝突
3・信号無視による被害

2に関しては3年ほど前に信越地方で、逆転判決事案がありましたが・・・そのケースはマイノリティであり、多くは0:100の典型として扱われることが多いようです。
つまり、上記3つを起こしてしまった場合は、100%過失になる可能性があり、この場合だと自賠責保険が適用出来ない可能性が大になります。

最初の質問メールの際に「今回のって、センターラインオーバーじゃ無いの?」と回答し、後日報告でもやはりそうだと判明しました。
患者は山道を主張して不服としていたようですが、その主張の決着を待っていると、いつまで経っても治療開始の為の任意一括請求は「対人社」なのか?「人傷社」なのか?が、決定できずに埒があかないので「人傷社」が対応開始したと思われます。

従って、自賠責保険からの費用回収は臨めませんが、「人身傷害による任意一括請求」#になったと想定できます。

③保険会社からの協定連絡の際に「人身傷害対応」になり
「健康保険を摘要」の旨を保険会社から言われる

現時点では、人傷社から人身傷害の使用の際は「健康保険摘要が条件」として提示されており、
この時点で「なに!ジバイで無くて健保だと!!」と、まるで自賠責保険の制度を理解していない、不毛な感情論が展開されるのが多い医療界のパターン(笑)。

「ち~がうんですって!!」と回答して、勉強会でも一番分かりやすく説明していますが、今回の場合は、
自賠責保険不適用の可能性が高い事案
で、かつ人身傷害が動いています。

「交通事故は自由診療だ!」という主張は、言う事だけは自由です。
しかし、健保使用に関する是非は医療従事者に裁量権がありません。
これは健康保険における、施行規則53条にもあることです

質問者は、この事はちゃんとアドバンスコースまで受講することで、ちゃんと理解していたのですが、過失割り合いの事などがあって「本当に人身傷害対応なの?」という疑問が、心の後押しをしてしまったので、猜疑心が
晴れなかったんですね。

なので「いや、しなきゃいかんときはするけど、ホントなんですか?」となったんです。
ま、これは仕方無いですよ。

④協定時点で、保険会社は事故被害者に使用の旨の打診がされておらず、患者からも健保使用の意思確認がされていない

これは、保険会社が本来の施行規則を無視した典型的なやり方で、本来は反省しなきゃいかんのですが・・・しないでしょうね(笑)

本来は順番が違うんです。
だから揉めるんです。
だけど、それを改善しない文化なんですよね。

勉強会でも、ちゃんと説明していることなので、既受講できちんと対応出来る先生は、
ここを逆手に取れるのを知っています(笑)
私的にはここの文化の改善は、しなくても良いです。
勉強されている医療従事者と、そうでない方との差別化が出来ますので(笑)

⑤どうしてもこの内容でいいものか、理解が進まないことから、消化不良である

きちんとこの場合は、愛を持って「理解が、固定概念に縛られている」として、理論的に回答しました。
こう言う場合は、百戦錬磨の保険会社が相手ですので、「先生扱い」しません。
きっちりと理解して頂くには、ウソ偽りなく、素直に現実だけを理解して頂きます。

最終的には私の仮定がすべて正解であって、過失が100%が前提の人身傷害対応であり、健保使用を打診された・・・だったそうです。
なんせ「100:0」の案件だったそうですから。

この場合でも「健康保険適強制使用」については、私は反対の立場です。
でもそれは単なる「自由診療による単価」の問題ではありません。

健康保険を使用してしまうことにより、制度上で、多くの縛りが発生し、患者さんの不利益や、関係周囲の
医療従事者への悪影響を懸念されることがいくつもあるからです。

「協定時に健保打診でも、最終的に不使用でした」という既受講の先生が増えていることは、喜ばしい事です。
くり返しますが、単価の問題とかの低次元な話ではありません。
関係周囲制度への悪影響が、問題だからです。

まとめ

・自賠責保険不適用の時はある
・その場合の人身傷害においての健保使用は、周辺制度を理解してから、理論的に対応すべし
・分からないときは、不信感から感情も動くときもあるのはわかる
・だけど、理論的に戻りましょう。勉強会やトリセツではヒントをかなり出している
・保険会社の悪しき文化は、逆手にとるくらいの方が良い。「曖昧さ」こそ協定交渉の醍醐味

最後に・・・
勉強会では、これが理解出来るようなレベルの内容でご案内しています。
金に眩んだような内容では、今後はドンドン通じなくなるので、未来永劫採用しません。

生き残りの為の基礎知識は勉強会へどうぞ

<医療従事者のための交通事故勉強会2019in横浜>
実施日
平成31年6月23日(日):ファースト・ベーシック
平成31年7月7日(日):アドバンス

詳細は、決まり次第、おってご案内します。
まずは、スケジュールを空けておいて下さいね。

※今回の、自賠責保険制度に関しては、損害保険募集人資格の範疇にて提示しております。

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プライムケア 杉本

株式会社プライムケア代表取締役
<国家資格> ・柔道整復師 ・ファイナンシャルプランナー2級技能士 <各資格> ・生命保険・損害保険募集人 ・EK療法士 ・ashibraⓇ認定アドバイザー

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