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質問回答:鍼灸で事故治療専門院としては成り立つのか?前編

たまに、今回の様に質問を頂きます。
フィーを払って勉強会に参加される方の事を思うと、全ては出せませんし、完全に気が向いたときという限定的ですが、こうやって回答ブログも上げてみたいと思います。

さて、今回は中国地方の鍼灸師のM・Wさんより質問頂きました。
『鍼灸院を、しておりますが、整骨院ではなく鍼灸院での事故治療専門の治療を考えております。

私は、鍼灸のみの資格しかありませんが、友人が板金工場をしており、そこに来られた事故の患者様を診てくれないかというお話をいただいております。

以前接骨院に勤務をしていた際、柔整だけでなく鍼灸でも見ることはできることを知っていましたが、詳しく勉強をしておらず、どのような仕組みかがわかっていないため
こちらに連絡させていただきました。こういった考えはどのように思われますか?』
(ほぼ、原文まま)

勉強会をしていますと、私自身も、全国で様々な情報を得る事にもなります。

弁護士主宰のセミナーで、鍼灸に関する判例を出して説明するケースもあるようです。
ただ、そういった内容は、主宰している団体・会の趣向もあることから、多少のバイアスが掛かっているかな・・・?という印象です。

私の場合は、判例も加味してますが何よりも「実態」を重視します。
現場の生きた情報でないと意味無いとして、回答します。

先に申し分けないですが・・・

質問内容に、何点かあります。
①事故治療専門とありますが・・・
他の治療は行わないと言う事でしょうか?一般人の感覚的には「専門」とはそれしかしない、という意味合いでとらわれる場合が多いです。
医師であれば、標榜制限が麻酔科としてはありますが、何科を標榜しても専門医は専門性を問われ、(印象としては)開業医以外は「専門のことしかしない」、もしくは「専門特化されいる」ことから、同科の医師同士だとしても「専門の先生に紹介」という例も少なくありません。

それしか行わない訳では無い・・・という場合においても疑問に残るのは
「そこまで交通事故外傷の病態を把握していますか?」ということ。

治療家業界においては、昨今の療養費の取扱改訂の繰り返しにより、誤魔化しを許さなくなっており、半端な請求は出来なくなってきた。
その対応策として、自由診療である交通事故の扱い強化の傾向があり、その際に
「とりあえず専門という単語を使って集患しよう」
という動きにもなっていました。

私、元交通事故受傷者ですし、事故被害者実態を熟知していますので、本音でこういった舐めた考えが大嫌いです
患者をダマクラかすのと変わりませんし、困っている人の心理につけ込むのって、社会人の仕事としては底辺の仕事です。

もちろん、これは「専門」を名乗るほどでもないのに「専門」としておけばいいや・・・という場合です。
専門性として、病態原理も把握して実績あるなら、全くもって問題は無いのです。

②柔整だけでなく鍼灸でも見ることは出来る
これは、多分職場で行われていた・・・という、エビデンスを確認していない経験則であると思われます。

じつは、この経験に則った「エビデンス未確認の出来る」というのが「医療従事者という名の二次加害者」を生み出す発端の1つです。

③詳しく勉強をしておらず、どのような仕組みかがわかっていないため

詳しく分かっていないなら「専門」を名乗っちゃいけません(笑)
患者さんを裏切る事に繫がる事もあります。

ただ、勉強をしたくとも「暗中模索の中での経験則」が主体の知識で構成され、エビデンスに乏しく、実態と乖離している内容の研修が多いのは、いわゆる「文化」となっているので、そこまでは責められないんですよね。

では、私の考える鍼灸の取扱は?

カテゴリーは、東洋医療として統合して考えます。

勉強会でも出している、ケーススタディが回答になります。
ここで答えを出すと、勉強会の進行が変わるので、モヤッとしますが、以下に理由だけは出します。

①鍼灸師サイドが、治療OKとする根拠は自賠責保の支払規定にある
「⑧ 柔道整復等の費用 免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が 行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。」

が代表になっているに過ぎない。
②東洋医療の特徴に「他覚的所見の立証が苦手」というのがある
③肯定判例も確かにあるが否定判例もあり、双方の判例内容を吟味したら、非常に高いハードルである
④そもそも民法709条を根幹として考える際において、支払要件を満たすことは、支払規定とは別物である

以上になり、総合的には肯定していません。

次回に続きます。

詳細に答えが知りたい方は、勉強会ですべてお話しております。

※勉強会は、長時間になります。
是非、普段着でどうぞ。スーツ着用は勧めません(笑)

※「特別カリキュラム:医師診断を否定した自賠責保険の判断への分析と対策」はアドバンスコースで行います。

※ベーシックコース終了後の19時から「ashibraⓇ体験会」を行います。
当日、時間の許す限りashibraⓇを、体験されてみて下さい。
『S03』と『AIR』を持参します。

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『医療従事者のための交通事故勉強会2019:柔整師向け』

横浜ファースト:平成31年6月23日(日)
9:15~11:55
横浜ベーシック:平成31年6月23日(日)
13:00~19:00

横浜アドバンス:平成31年7月7日(日)
9:30~16:45

※すでに受付開始

<場所>
アットビジネスセンター横浜西口駅前 602号室
神奈川県横浜市西区北幸1丁目8−4

<定員>
各会場:30名
(各最少催行人数15名)

<申し込み方法>
https://www.primecare.co.jp/workshop/
①弊社HP、もしくはFBページメッセにて案内PDFを取得下さい。
②FAXもしくは、申し込みデータをメール送信
③承り後、弊社から受付案内を致します(メールもしくはFAX)
④料金は会場にて現金にてお支払い下さい(領収書発行致します)

<メール受付の場合>
HP問い合わせフォームより
①氏名
②所属院
③連絡先番号もしくはアドレス
④取得資格
⑤希望コース
⑥同行有りの場合の同行者氏名
⑦ベーシック終了後の二次会参加希望の有無
をご教示下さい。

<料金>(すべて税込)
ベーシック・アドバンス新規(それぞれ)@22,000円
ファーストのみ一律:@10,000円
同コースの再受講:@10,000円

再受講者との同行またはペア割:@ー4,000円
(お一人当たり、ベーシック・アドバンスにそれぞれ適用)

※交通事故事案を同業者へのビジネス化されている場合は、別途加算料金を申し受ける場合がありますので、ご了承下さい。

<会場限定:書籍特別販売>
「医療従事者の為の交通事故取扱説明書:接骨院編」
@9,000円→特別価格@8,000円(ともに税込み:一人1冊限り)

<ご注意>
・撮影・録音・資料の二次使用は固くお断りします(発覚時損害賠償請求します)
・既に交通事故で商用活動(手法展開・セミナー等)されている方の申し込みは、理由回答によって参加をご遠慮頂く事もございます。
※管理人は「二次加害者」への幇助を一切行いたくないという信念がありますので、ご理解下さい。
勉強会でお会いしましょう

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