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質問回答:鍼灸で事故治療専門院としては成り立つのか?後編

さて、前回は勉強会に参加された方には、非常に理解出来る内容に仕上がっての文脈だったかと存じます。
勉強会では、合理的に、エビデンスをもって、何よりも患者さんに迷惑をかけない・・・という視点で説明しています。
先に、ハッキリ申しあげますね。

最終的に認められなくて、患者さんが負担する可能性を考えずに、医療従事者が「規定ではOKなんだ」と主張するのは、非常にナンセンスなのです。

前回のおさらいと詳細

以下としてまとめてました

①鍼灸師サイドが、治療OKとする根拠は自賠責保の支払規定にある
「⑧ 柔道整復等の費用 免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が 行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。」

が代表になっているに過ぎない。

②東洋医療の特徴に「他覚的所見の立証が苦手」というのがある

③肯定判例も確かにあるが否定判例もあり、双方の判例内容を吟味したら、非常に高いハードルである


④そもそも民法709条を根幹として考える際において、支払要件を満たすことは、支払規定とは別物である

では、詳細を上げます。

①鍼灸師サイドが、治療OKとする根拠は、自賠責保険の支払規定にある
「⑧ 柔道整復等の費用 免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が 行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。」

が代表になっているに過ぎない。
そう・・・過ぎないのです。
ここには認めるとも書いていないし、否定もしていません。
それを、鬼の首でも取ったように「使えるんだ」と主張して、支払われるのであれば苦労は要りません。

以前にあった、この文面を最大限に主張していた記事はコチラ

だって・・・昨今は、医師の請求だって否定されてますからね。
仮に、医師が連携&鍼灸OKだったとしてなら「認められる可能性もある」と回答します。
実態を加味しなくてはならないので、その点では医師がOK出しても、後の裁判で認められないというケースもあるのです。

こういった、医師も含めた医療従事者が行った治療・施術行為が、否定される要因を一言で言えば
「民法709条を理解していない、もしくはその要件を満たしていない」
が多いと判断しています。

自賠責保険は、そもそも民法709条を、交通事故における賠償の最低限部分を填補するための保険です。
自賠責保険法がありますが、それも根幹は「民法709条」。
つまり、多くの損害賠償トラブルの突破口は「民法709条」を理解するということ。

残念ながら、医療従事者がこの点が疎く、そこに多少のエゴイズムが発生するので、理解して譲るべきところの着地点が曖昧になり、事態が深刻化するのです。

そして、その尻ぬぐいは、被害者である患者さんが行わざるを得ません。
これは顕在化しているケースもあれば潜在化しているケースもあります。

②東洋医療の特徴に「他覚的所見の立証が苦手」というのがある
賠償を立証するには、その治療の必要性と同時に効果を証明しなくてはなりません。
私は柔道整復師で、資格的には西洋医学寄りですが、これは東洋医療を否定しているのではありません。

どうしても東洋医療の観点は、他覚的所見を立証するのが苦手であり、裁判となった場合の裁判官判断・・・つまり第3者にも、その治療効果を証明することが困難な点が不利になりやすいのです。
そもそも、その証明責任は患者さんにあるわけです。

誰がどう見ても・・・わかる様に、治療効果を証明する必要があるのが「因果相当関係の立証責任」となり、その責任は治療費を請求する被害者である患者さんにあります。

だから、民事交通事故損害賠償の実態を理解消化仕切れていない、医療従事者の憶測だけで治療・施術の是非判断は危険、という回答になります。

③肯定判例も確かにあるが否定判例もあり、双方の判例内容を吟味したら、非常に高いハードルである

肯定判例をとって説明されると、聞き心地もいいし「患者さんの為に!」とモチベーションもアップします。
しかしながら、100%認められるのであればそれでいいですが、否定材料を加味しないで判断するのは、あまりに稚拙です。

否定材料の典型で出しているのが、以下の判例

昭和61年12月19日神戸地裁
(交民集19巻6号1706頁)
頚椎捻挫等を受傷した被害者が、整形外科医院での治療と重複して、鍼灸整骨院で施術を受けた事案。
鍼灸治療の、医学上の必要性が認められないと過剰治療として判断され、請求が否認された。

この判例の内容には、非常に参考になる点が2つあります。
・医接連携がされていない
・医学的必要性が証明されていない
になります。

②でも申しあげた「因果相当関係の立証責任」がここで出てきます。

くり返しますが、この責任は患者さんにあるので、医学的立証を理解してない医療従事者判断では危険なのです。

④そもそも民法709条を根幹として考える際において、支払要件を満たすことは、支払規定とは別物である
まとめ的な事項です。

すでに①~③で説明させて頂きました。

・治療として認められる・られないの責任は患者さんにある
・効果があるのなら、なぜ・どうして・どのように・・・を立証しなくてはならない
・西洋医学に比べ、東洋医学は、他覚的立証を行う事が苦手な傾向がある
・立証責任と医学的証明を、医療従事者が理解してないと、立証がほぼ出来ない
・経験則はエビデンスとは言えない
・認められた経験則を主張するなら、認められない場合の根拠を同時に
理解して無ければ、根拠として説明にならない

これらの課題をクリアして、やっと交通事故損害賠償として施術して然るべきになります。

勉強会でもお話していますね・・・どうしても施術するなら○○○○の後なら思う存分出来ますぞ!!と。

そして、今の現状で重要な問題

今回の事で「交通事故専門施術」と、案内するという事になります。
この場合、2つの懸念材料をクリアしなくてはいけません。

①保険会社は色眼鏡で見る
この10年の動きで、いくつものアライアンスが確認されており、保険会社はおろか、総務省も問題視していた団体もありました。
(内偵をしていた方から、人づてに私に「あそこの実態ってどうなの?」と質問があったくらいです)
そういった集団の特徴に「救済」という文字を使っていることがありました。
しかし、単なる事故被害者情報の使い回しによる収益目的としか判断されてません。

HP等々でも、交通事故特化・・・を主張すればするほど、保険会社は輩カテゴリーとして判断します。
これは元損保さんも同じ事を仰っており、そうやって判断する文化なのです。

②今後の広告ガイドラインに抵触する可能性が高いです。

正直な所、最新の広告検討会の情報って、現場の方にどこまで落ちているんでしょう・・・。
第一回から傍聴していますが、ある意味、1回目から傾向は決まってしまったようなものです。

よ~く、厚労省HPにある議事録見れば傾向が分かります。

療養費検討委員会でも「交通事故専門とはなんだ!?」と、何回もやり玉に挙がっております。

そう、完全にロックオンされた表記方法で、HPも規制対象になる事が、医療ガイドラインで先行しているのですから、同様になるのは目に見えています。

それでもやりますか?このご時世に「交通事故専門治療院」を!!

しかも、第5回広告検討会の時は、消費者庁まで参加して「景品表示法」も提示。

このことは、私のブログでも上げています。

大まとめ

・私が鍼灸の免許もっていても、多分はしないと思われる
・どうしても施術する場合は××××でして頂き、賠償と別で考える
・どっちにしても○○○○の後なら、誰にも文句は言われない
(ただし、昨今では○○○○のあとの治療経過も、賠償時における是非の判断にされているので注意)

私は「するな!」とは言ってませんし、東洋医療を否定していませんからね!(笑)

理解をコンプリートしたい場合は、勉強会へどうぞ。

※勉強会は、長時間になります。
是非、普段着でどうぞ。スーツ着用は勧めません(笑)

※「特別カリキュラム:医師診断を否定した自賠責保険の判断への分析と対策」はアドバンスコースで行います。

※ベーシックコース終了後の19時から「ashibraⓇ体験会」を行います。
当日、時間の許す限りashibraⓇを、体験されてみて下さい。
『S03』と『AIR』を持参します。

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『医療従事者のための交通事故勉強会2019:柔整師向け』

横浜ファースト:平成31年6月23日(日)
9:15~11:55
横浜ベーシック:平成31年6月23日(日)
13:00~19:00

横浜アドバンス:平成31年7月7日(日)
9:30~16:45

※すでに受付開始

<場所>
アットビジネスセンター横浜西口駅前 602号室
神奈川県横浜市西区北幸1丁目8−4

<定員>
各会場:30名
(各最少催行人数15名)

<申し込み方法>
https://www.primecare.co.jp/workshop/
①弊社HP、もしくはFBページメッセにて案内PDFを取得下さい。
②FAXもしくは、申し込みデータをメール送信
③承り後、弊社から受付案内を致します(メールもしくはFAX)
④料金は会場にて現金にてお支払い下さい(領収書発行致します)

<メール受付の場合>
HP問い合わせフォームより
①氏名
②所属院
③連絡先番号もしくはアドレス
④取得資格
⑤希望コース
⑥同行有りの場合の同行者氏名
⑦ベーシック終了後の二次会参加希望の有無
をご教示下さい。

<料金>(すべて税込)
ベーシック・アドバンス新規(それぞれ)@22,000円
ファーストのみ一律:@10,000円
同コースの再受講:@10,000円

再受講者との同行またはペア割:@ー4,000円
(お一人当たり、ベーシック・アドバンスにそれぞれ適用)

※交通事故事案を同業者へのビジネス化されている場合は、別途加算料金を申し受ける場合がありますので、ご了承下さい。

<会場限定:書籍特別販売>
「医療従事者の為の交通事故取扱説明書:接骨院編」
@9,000円→特別価格@8,000円(ともに税込み:一人1冊限り)

<ご注意>
・撮影・録音・資料の二次使用は固くお断りします(発覚時損害賠償請求します)
・既に交通事故で商用活動(手法展開・セミナー等)されている方の申し込みは、理由回答によって参加をご遠慮頂く事もございます。
※管理人は「二次加害者」への幇助を一切行いたくないという信念がありますので、ご理解下さい。
勉強会でお会いしましょう

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プライムケア 杉本

株式会社プライムケア代表取締役
<国家資格> ・柔道整復師 ・ファイナンシャルプランナー2級技能士 <各資格> ・生命保険・損害保険募集人 ・EK療法士 ・ashibraⓇ認定アドバイザー

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