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骨折時における内科レントゲン問題を考える

Twitterを拝見していますと、整形外科の先生のツイートを拝見しました。

このツイートに関して、いくつかの派生コメントが発生しています。
ただ、私も拝見していて、少し整理したくなりましたので、自戒を込めて今回取り上げたいと思います。
最終的に、厚生労働省医事課にも確認も行いました。

背景を整理
以下、koala先生のTwitterより

①とある患者さんが、手指を痛めて接骨院に行った
②柔整師が指示して近くの内科にレントゲンと撮ってもらそのまま接骨院に持参した
③柔整師が「骨折ないから捻挫だね」として施術継続した
④痛みがひかないから整形外科で確認したら骨折で、手術になった

koala先生の指摘
⑤読影資格の無い柔整師がレントゲン判断した
⑥レントゲン撮影したにが内科医で、おそらく骨折のわかる様な撮影をしていない
⑦少しでも骨折を疑ったら、整形外科へ紹介していれば、不幸な事態は避けれたはず

とのことです。

拝見していて、普段は紹介先整形外科を3つ確保している私としては「なんで内科?」ともなるのですが、実際にそういう環境の柔整師を知らないわけでは無いので
中立的に考察します。

ただし、文中には実態情報があまりにも少ないので、推測を織り交ぜることを、ご了承ください。

そもそも今回の内容に違法性はあるか?

厚生労働省医事課にも確認しましたが・・・無いです。

我々柔整師は、骨折・脱臼において、応急処置が出来ます。
その後の後療等に関しては、(歯科医を除く)医師の同意は必要です。
その際の、医師の標榜する科も限定されていません。

では内科の先生が、整形外科領域を疑わしき場合においてもレントゲン撮ることは・・・問題が無いそうです。
多分、この内科の先生が行った権限は、医師に許されている「裁量権」かと。
そもそも、この先生の標榜が「どこの内科」なのかも不明ですので、これも「整形外科以外」としても言及できないと思うのです。

柔整師は指示したのか?

「もしかしたら骨折かも知れないので、お医者さんに診てもらって下さい」これは私も言います。
ウチの場合は整形外科へ。時間が許せば同行もします。
同行出来ない場合は「御高診願い」を作成します。もしくは懇意の先生ならTELやSMSやLINEなど、使えるモノはなんでも使います。

「行ってきて下さい」の中にどういった言葉があったか?です。
骨ですので、一般人でもある患者さんでもレントゲンは分かると思います。
そんな方に「骨折はレントゲンで無いと確実に分かりませんからね・・・一番近くてお願いしているのは、その先の内科の先生ですが、いつもお願いしているので大丈夫です。行けますか?」
という会話をしたとする。
その内科なり、整形外科なりで、患者さんがドクターに「接骨院の先生に、レントゲン撮ってこいと言われましてね」と発言する可能性はあるわけですよ。
「撮ってこい」と言われなくても。

勘違いした柔整師が指示の可能性・・・0では無いですからね。
なんとも・・・

柔整師は読影したのか?

レントゲンを患者さんが欲しい!という希望って、どうなのでしょうか?
例えば、交通事故における自賠責保険を使う場合は、自由診療枠で扱われるので、保険会社提出分として出されたりするわけです。
その制度を使ったのか?ということになります。

ただ、その場合は内科医が診断書フォームとして「骨折はないと思われる」と記載あれば、標榜科を越えた裁量権で有りになってしまいます。
その文章を見た柔整師が、会話の中において「(内科医の先生としては)骨折は無いみたいですね・・・」とすれば有りになってしまいますね。
これなら読影による診断にはならない。

そして患者さんが自分の意志で持参したとするX-Pを見ることも、問題なしとなってしまいます。

内科の先生はどのような手段を行ったのか?
以前、勉強会で「柔整師はMRIオーダー出来るのか?」という単元を話したことがあります。
形式的には出来る様に見えてますが、最終的に「医師の診断権」におんぶさせて頂いているだけ・・・と話しました。

というのも、画像診断センターを例にしましたが、そもそも撮影する最終決定権者は「医師のみ」であって、そういうセンターも医師が常駐して直前に問診するから出来るだけです。
そこでも言われたのは
・画像コピーは自費で患者さん希望ならOK
・通常のドクターレポは、医師宛でないと医師法上は柔整師に送付できない
・ただレポを患者さんがどのように使うのか?は、こちらも追跡しかねる
・結果としては簡易的な内容でいいのなら、常駐の医師が診断書として作成する事は出来る
との事でした。

結果的には「整形外科の先生の胸を借りて、お願いしてこい!!」でした。
やっぱりこうなります。

ということで、内科の先生としては
・撮影権限として医師の判断でレントゲンを撮った
・裁量権を含め、自身が分かる範囲で診断をした
・画像に関しては患者さんが、医院を出た後で何に使うか追跡出来ない
という、範疇でおこなったのかも知れません。

これも違法性は全くもって無い

問題はその後

私なら、こういうことになりかね無いから、専門科に御高診頂いているんです。
紳士的なドクターに恵まれているので、患者さんも同意で同席なら「ほらここね・・・ちょっと見た目に分かりづらいけどさ・・・あるでしょ」と、私も勉強させて頂くことあります。
本当に有り難いです。

でも、この事案はある意味「ギリギリセーフ」を追い求めた結果、アウトに至った。

これは不幸な事です。
koala先生も「誰のためでは無く患者さんの幸せのため」とコメントされてます。
そう、やっぱり結果論的には、整形外科にコンセルトした方が良かった。

「整形でも見逃すじゃないか!!」という反論もあるかと思います。
確かに、そう言う話も実例で聞きます。

でも、人間って・・・医師だってそこまで完璧じゃ無いですよ。
だからこそ、医療に携わる人間は、一生掛かって勉強し続けないキャならない職種ですよね。
だとしたら「もっとも間違いが少ない専門科」にコンセルトするのは、倫理の問題です。

だけど・・・今回は違法性は無い
療養費に支給申請するのも、後療の同意を内科の先生にもらっていることになっているのでしょうから・・・

なんで内科なの?

これ、同じように内科に送っている柔整師と話したときに分かったことも混ぜて、以下推測します

・単に柔整師がアホ
・内科の先生もこれまで間違いが無かった。違法じゃ無いし・・・という認識

ここからは他意はないですが、実際に聞くこと踏まえて
・近くに整形外科が無い
・患者さんも、離れた整形外科に行くなら近い内科で終わらせてしまいたかった
・患者さん自身が、該当する整形外科と合わない等で通院をなるべくしたくない。オペに至った整形はまた違う整形
・整形外科の先生が、アンチ柔整の方針から「接骨院に行くな」をくり返しているので、柔整師の心情で送りたくない
・患者さんも、アンチ柔整スタイルの整形の先生の振る舞いが嫌なので避けたかった
・アンチ柔整の対応から、整形外科に送るなら、話を聞いてくれる内科の先生にお願いしたいと思うようになって、慣習となった

と言うこともあり得ます。

これ・・・なんとも言い難いですが「北風と太陽」を思い出しますよね。

「整形に患者を取られるくらいだったら・・・」という話は聞きます。
私は、どちらかというとホトトギスは秀吉なので「お願い出来る整形外科の先生を探そう!」という方向で、かつ後療をさせて頂くように信頼をいかに頂けるようには
自分はどうなれば良いのだろう・・・という思考パターンです。

これはこれで、いままで間違った事は無かったです。
お付き合いするにも、質問するにも、まずは考えます。その上で、依頼します。

これ、ビジネスをする社会人としては、他の業界でも一緒ですよね。

今回の話、いろんな所でコミュ不足が、悪い方に出てしまった一例かと思います。

まとめ

とりあえず、柔整師は整形外科に躊躇無くコンセルト出来る様になりなはれ。
地域医療で生きて行くには、お願い出来る整形外科の先生を探す・・・それしか無いな

 

 

 

 

 

 

 

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<国家資格> ・柔道整復師 ・ファイナンシャルプランナー2級技能士 <各資格> ・生命保険・損害保険募集人 ・EK療法士 ・ashibraⓇ認定アドバイザー

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