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過去記事:なぜ勉強会で事故患者の症状動画を流すのか?20181025

これはアドバンスの勉強会で流している、「腱板損傷」における事故被害者の動画の1ショットです。

ベーシックコースまで受講された先生が受講できるアドバンスコースですが、その際には交通事故症例のご紹介もしています。
これらはすべて実際の事故患者さんを、理解ある整形外科のドクターが検査をしています。
元々は、私が医療コーディネーターの業務上において、損害賠償の立証として作成した資料であり
・自賠責損害調査事務所
・自賠責紛争処理センター
・地方裁判所もしくは高等裁判所
などに提出された資料です。

(立証が明確で必要とされなかったので、最高裁まで争うことに携わった経験は残念ながらありません)

これらを、各被害者の方々から了承を頂いて、皆さんへの教材とさせて頂いております。

症例に関しては「外傷性頚部症候群」もありますが、その他の外傷を扱う可能性のある接骨院では、来院可能性のある症例を厳選しており、時間も限られるので6症例。
うちドクターが行う検査の様子は4症例で、他にもXP・CT・MRIの画像も出しています。

貴重と言えば貴重かも知れません。なにせ机上の空論ではなく、実際の民事交通事故損害賠償の生きた資料だからです。

では、なぜあえて勉強会の資料として出すのか?
理由はいくつかあります。

①医療従事者向けの勉強会だから
→私も経験が有りますが、多くの交通事故セミナーの内容を伺っていると、やれ「慰謝料」だ「休業損害」だの医療従事者に対して必要性を疑う知識のオンパレード。
結果的に「いいから患者を紹介しなよ」という目的が見えるケースが多いようです。

多くの医療従事者は、学びを起こす際に「患者さんに役立つための職務」としての責任を果たしたい思いで休日の貴重な時間を費やしています。
その思いに報いず、医療従事者をカモネギ扱いにするセミナーには賛同できません。

②医証というモノを片鱗だけでも知って頂きたい
→医療界には、患者さんが社会復帰する事へフォーカスがしっかりされているスキームは希薄な現状があります。

それは指導する側も、不幸な事にスタンダードにすべき基準が無く、暗中模索の中での経験によって構築された知識で行うしか無いのが現状だからです。

しかし、多くの件数の交通事故被害者と携わっていると、どのようにやりとりされて、何が論点となって争っているか?が見えて来ます。
それをポイントとして整理して、提供しないと、いつまでの医療従事者の扱い環境は改善しないからです。

多くの保険会社とのトラブルは、制度・法律を理解している私から見て「原因は医療従事者にあり」というケースは少なくありません。

③医療従事者として(特に柔道整復師)医学的所見の重要性を改めて考えて欲しいから
→現在の治療家業界における、医学的な知識レベルは千差万別です。外傷をトコトン勉強されている方もおられますが、資格取得後は・・・という方もおられます。
しかしながら、医学的な知識レベルが及第点と言えないまでも、交通事故は扱えてしまいます。
また交通事故外傷は、関連する自賠責保険の特異的に処理から、通常の外傷と整理して扱わなくてはならない事が多々あります。

でも、それらはあまり知られていません。

そんな中、事故被害者は患者として治療・施術を受ける際は、受診先の「交通事故損害賠償としての扱いレベル」を知らずに訪問するために、人生を左右する事でありながら、一種の賭けで行くしかないのです。

「接骨院には後遺障害になる患者は来ない」これは典型的な「医療従事者という名の二次加害者」に結びつく考えです。
交通事故を全くもって分かっていない医療従事者の思想であって、実態は違います。

④いろんな人たちをクイモノにするセミナー主催者とは違うと言う事

・ちょっと交通事故で儲かった
・交通事故を進めることは収益アップになる
・自分が交通事故に遭ったことのある医療従事者なので知っている(つもり)
・とりあえず、交通事故で金が入って来れば良い
こういった方達がセミナー主催してる場合の内容は典型的です

・成功体験・煽りが多い
・具体的方法論が無い
・メリット教示だかが、デメリットを言わない
・結果的に「金・かね・カネ」。どうやって入金されるか?・・・被害者請求に突出したセミナーなんかは要注意です。

(それによる事態悪化の事例も報告されています)

私は良い事も言いますが、悪い事も言います。具体的に理由と根拠をつけて。

⑤私たち医療従事者が扱うのは、痛い思いをした事故被害者であるということ・・・を忘れてはいけない
→一番大事なところです。
実際に、動画の被害者さんは、相当痛い思いをしてドクターの検査に耐えてます。
明確な後遺障害を立証しないと、生活がままならないからです。

なによりも、「痛い思いをしていることを理解して貰いたい」からです。
私も事故被害者だったので、その想いが理解出来ます。

ですが、交通事故を表裏で見てきた立場で言えば、そんな事にはお構いなしの議論が展開されているのを多々見るのです。
これは医療界全体のこと。

それぞれの立場もあるでしょう。
だとしても、その議論は何も建設的に生み出さないし、単に患者さんに負荷を与え犠牲になっている・・・だけで本末転倒な事例は幾らでも出てきます。

もう一度書きます。
「患者さんは痛い思いをしているんですよ!」と。

交通事故被害者は、独特の思考パターンに陥ります。
厄介な患者になりやすい事も分かります。
実際に、私自身も急性期においては、病院では「プシコ」だったと思います。

ですが、それらは事故を知ると対処が分かっているケースも多々あります。
知って、識れば、知恵になります。
だからこそ「正当な知識を得て知恵としましょう」と私が提唱しています。

まずは、識ってください・・・事故の事を。
書籍では、私の知識の半分も出していません、。
勉強会でやっと半分行くか行かないか?くらい。

それは、惜しんでいません。
ただし、二次加害を増長させる可能性のある方には、一切幇助しないポリシーなのでそこは区別しています。

「患者は金づる」ならば、そのままどうぞ。
ですが、「医療従事者の職責として学びたい」という方にはトコトンお付き合いします。

※次回の「医療従事者のための交通事故勉強会:柔整師向け」は12月に東京です。

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